指導について
礎義塾は、学習塾です。もちろん、学力を伸ばすことを目的としています。
しかし、他の学習塾とは違って学力を伸ばすことだけが目的ではありません。
我々の指導方針を一言で言い表すならば「社会に通用する大人を作ること」です。
・私のスタンス
私は感情的に怒鳴る大人が嫌いです。
上辺だけの美辞麗句を言う大人が嫌いです。
嘘つきが嫌いです。
幼い子供がそういう人から勉強を習うのは不幸だと思っています。
周りが何もしなくても子供は勝手に育ちます。
その成長の邪魔になるものを取り除いて、
成長の手助けをするのが大人の役割だと思っています。
自転車を漕ぐときにこっそり後ろから支えてあげて
気がついたときには手を離している。
そんな教育が理想です。
「昔行ってた塾の先生、当時はわからなかったけど
今思えば良い先生だったなぁ」
そんな先生が理想です。
・勉強のさせ方
子供は大抵が勉強をしたがりません。
したくないことをさせるにはどうすればよいでしょう。
一番の理想は「したいと思わせること」です。
あるいはしなきゃいけないことを理解させる。
現実的にそれが難しい場合、したら褒める/しなかったら叱る というアメとムチを与えます。
どちらか一方の場合もあるでしょう。
その他せざるをえない状況をつくるとか、雰囲気で誤魔化すとか、様々な手法があります。
大事なことは子供の発達段階に合わせて、冷静に行う。
そうすれば、大抵の子は勉強をします
本校の子供たちは勉強好きばかりが来ているわけではありません。
しかし、ほとんどの子が文句も言わずに、それなりに楽しんで勉強をするようになります。
ただ、身内はなかなか冷静に指導することができません。
ついつい感情的になってしまいます。
私もきっと自分の子供には強く言ってしまうでしょう。
そのために塾があると言っても過言ではありません。
・初期段階は
勉強をさせると一口に言っても、その中身はいろいろいあります。
まず塾に来る子の大半は勉強ができません。
勉強ができない子の大半が考えることをしたがりません。
スポーツできない子=運動しない=運動嫌いと同じレベルです。
そこでいきなり、スポーツしろよと言っても仕方ないので、
まずは運動をさせながら運動することの抵抗を無くすことです。
つまり、考えることをさせることが一番重要で、考える癖をつけます。
考えているかが最重要ですので、見かけ上勉強しているように見えるものを
たくさんさせたところでおそらく本質的な能力は上がりません。
例えば漢字の書き取りとか英単語をたくさん書くとか。
こういった作業は考えることとはかけ離れていますので、賢くはなりません。
考えることは楽しいんだ、楽しくはないにしてもそう悪くはないな、
と長い時間をかけて思わせるようにします。
・宿題の位置づけ
本校では宿題をあまり出しません。
学校でも宿題が出ますので、子供たちにはそんな時間がないというのが理由の1つ。
もう1つの理由は、宿題を出すようにすると逆に宿題しかしない子になるからです。
宿題をするだけで満足してしまうのです。
また、宿題を出してもあまりチェックしません。
その代わりに小テストをします。
宿題に出していた範囲から出題しますので、宿題をした人が有利です。
宿題をしなかったとしても、小テストができれば問題ありません。
その子にとって、その宿題は不必要だっただけです。
逆に、宿題をしても小テストができなければ宿題をした意味がありません。
勉強はやればいいというものじゃないことを体験的に学んでもらいます。
そして、宿題をさせればいいものじゃないということを多くの大人は知るべきです。
・自発的に、能動的に
勉強は受け身になりがちですが、自ら学ぼうという気持ちがなければ効率が悪く、かつ長続きしません。
自発的に学習させるには、そこに必然性つまり、自分から勉強しようと思わせる仕掛けが必要です。
初めから自分で勉強してくれたなら何も問題はありませんが、
そうでない場合はある程度強制力がはたらきます。
【ルール】
わからないところをそのままにしていたら叱る
小テストが合格できるまで帰れない
このルールを徹底するだけで、自ずと自発的な態度に変わってきます。
中にはそれでも変わらない子がいますが、そういった子には直接話をします。
話しても変わらない場合は待つしかありません。
・自ら質問をするために
まず、わからないところがないか。全体で聞きます。
その後個人にも聞きます。
それでも質問しない場合は私から質問します。
もしそれに答えられない場合、なぜ質問しなかったのか、わかっているはずだろうと叱ります。
そうすれば、わからないところがないか一生懸命考えて質問してきます。
わかった気になってないか自問自答するようになれば成功です。
・勉強したくないから勉強する
勉強が嫌いな子は、塾から早く帰りたいはずです。
でも、ここで障壁を与えます。
これを乗り越えないと帰れないぞ、と。
勉強をしていた子はさっさと帰っていきます。
勉強嫌いの子はまだ帰れません。
そうすると、帰りたいからこそ勉強をするようになります。
そのうち、事前に勉強しておいたほうが楽だと学びます。
勉強の面白さを知るのはその後からでも遅くありません。
・まずは声を出す
大きな声を出すのが苦手な子がいます。
特に語尾が小さくなります。そういう子は将来不利です。
相手に意見を伝えるのが難しいので、仕事や趣味において選択の幅が狭くなります。
また様々な場面で誤解を生みやすいです。
挨拶や質問する、答えるときは大きな声を出すように言っています。
人によっては、大勢の前で話すことが苦痛な子もいるでしょうが、可能なら改善しましょう。
当塾は少人数ですから、学校で発表するよりは幾分気が楽でしょう。
・悪いことをしたときこそ大きな声で
人は誰しも失敗をします。
遅刻したりテキスト忘れたりしたときこそ、大きな声で「すいません!」と
言えるように指導しています。
謝れば大して怒りません。
謝っても怒られるなら謝り損ですから、謝ったら得するぞと体感しなくてはいけません。
「失敗の仕方」を学ぶのは大切なことです。
・説明は短く、解く時間を潤沢に
先生は話したがりです。教えたいことがたくさんあるので、放っておくと永遠に話します。
しかし、先生の話を長々と聞くことは生徒のためになりません。
理解が追いつかなかったり、初めの話を忘れたりします。
結局、家に帰って宿題をする段階で初めて、わかっているのか・わかっていないのかがわかり、
そこで教科書等を見て理解したりしなかったりするわけです。
だから、
話を聞く→まず解く→わからないところを確認する→質問する・もう一度説明を受ける→次に進む
このサイクルが短く、繰り返されるほうが身に付きます。
学校の授業は50分のうち、30分は説明して、10分ノートまとめ、10分問題を解くぐらいの割合です。
10分説明して、30分解く 解き終わってからノートまとめをする。そのほうが力はつきます。
・点数は重要ではない
テストはあくまでもテストです。学力がつきさえすればいいのです。
点数が取れなかったとしても、なぜ取れなかったのかを考えるべきであって、
それを抜きにして喜ぶことも悲しむことも良いことではありません。
特に定期テストでは点が取れるが、模試では取れないという子は危険です。
勉強の仕方を勘違いしている可能性が高いです。
本当に大切なことは理解しているか。点数よりそこを見て欲しいです。